ドトールコーヒーの販路拡大と顧客利便性向上への挑戦。自社独自のサービスと業務の「こだわり」をEC-CUBEでシステム化

株式会社ドトールコーヒー
山口 秀孝 様(写真左)

(制作・開発:株式会社エム・エー・ディー)
高橋 守 様(写真中央)

食品

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国内に1,200店舗以上出店し、日本を代表するコーヒーショップチェーンとして知られる株式会社ドトールコーヒー様。
2021年にオープンしたECサイト「ドトール オンラインショップ」では、コーヒー豆や関連商品を販売。これまで店頭でしか購入できなかった焙煎したてのコーヒー豆を、好きなタイミングで自宅やオフィスなどに届けてくれるサービスが好評を博しています。
コーヒー豆の鮮度にこだわるため、工場への注文や出荷のタイミングの最適化に力を入れたそうです。今回はそんなドトールコーヒー様の取り組みを、開発パートナーのエム・エー・ディー様と共にお伺いしました。

お客様情報

株式会社ドトールコーヒー
コーヒー豆の焙煎・卸売業として1962年に東京都港区で創業。全国に1,200店舗以上もの直営店および加盟店を展開する。2021年よりECサイト「ドトール オンラインショップ」の運営をスタート。

開発パートナー情報

株式会社エム・エー・ディー
15年以上のEC-CUBE導入実績があり、企画・提案から導入後の運用サポートまで行うシステム開発会社。特にEC-CUBE B2Bを用いた業務効率化/コストカットを得意としています。

要件概要

課題

店頭だけで販売していたコーヒー豆の更なる販路拡大を。また店舗での商品購入者には持ち運ぶ手間がかかっていた。

解決策

柔軟なカスタマイズが可能なEC-CUBEを導入。フロント画面だけではなく、運用面のシステム化による効率化も実施し、ECサイトをオープン。

効果

店舗以外でのコーヒー豆の販路が拡大。直送によりお客様満足度も向上。

ドトール オンラインショップ

導入以前の課題

ECサイト構築のきっかけはお客様の声。またコロナ禍も開発の後押しに

「ドトール オンラインショップ」は2021年にオープン。日本発のコーヒーチェーンの中では最も店舗数の多いドトールコーヒーは、ECサイトをオープンすることでどのような課題を解決しようとしたのでしょうか。ドトールコーヒーの山口様にお伺いしました。

はじめてのECサイトということですが、ECサイト構築のきっかけを教えてください。

山口 様:

ECサイトをやりたいという話は、社内で以前から出ていました。理由は2つありまして、1つ目は店頭だけではないコーヒー豆の販路を確立したかったことです。弊社は元々焙煎業からスタートしているのでドトールコーヒーショップでは当初からコーヒー豆を販売しておりますが、店舗スペースや人員の関係から十分な品揃えができない店舗もございました。2つ目はお客様の利便性向上という部分です。元々お客様からは、コーヒーを購入しても重たくて持って帰るのが大変だというご意見をいただいていました。例えばリキッドのアイスコーヒーは1本1000mlなので、人気商品ではあるのですがお持ち帰りの重さを考えるとなかなか手に取りづらいという側面もあります。ECサイトは新たな販路になる一方、既に店舗に通われているお客様に対しても直接商品をご自宅にお届けできるということで利便性向上につながると考えていました。

そういった課題点があり、ECサイトを検討し始めていた矢先の2020年、コロナ禍がはじまり、店舗の営業ができなくなっていた時期に「店舗が営業していなくてもせめてコーヒーを買いたい」という声を本当に多くのお客様にいただき、私たちもそれに後押しされた形でECサイト構築を本格的に進めることになりました。

株式会社ドトールコーヒー 商品本部 MD企画部 MD推進課 山口 秀孝様

目指したのは、焙煎したてのコーヒー豆をお客様に届けること。複雑なシステムはEC-CUBEのカスタマイズで実現

数あるECカートの中でなぜ「EC-CUBE」を選定されたのでしょうか?その決め手を教えてください

ドトールコーヒーが数あるECカートの中で「EC-CUBE」を選定された決め手は、開発会社のエム・エー・ディー様からの提案だったそうです。

山口 様:

私たちがECサイトで目指したことは、お客様に直接コーヒーをお届けすること。しかもコーヒー豆の鮮度にはこだわりがあり、絶対に焙煎したての状態でお届けしたかったんです。これを実現するためには、お客様からご注文いただいたデータを工場に投げて、製品を作って出荷という流れになりますが、小規模であれば実現しているケースがあるとは知っていたものの、大量のご注文を捌くにはシステムが複雑化するだろうと予測していました。

実はパッケージ等他のプラットフォームも検討していたのですが、私たちがやりたいことを実現するためにはかなりECサイトの作り込みが必要だと感じていました。そんななか、制作会社のエム・エー・ディーさんからEC-CUBEは柔軟なカスタマイズが可能なので私たちの理想を実現できるだろうとお伺いし、モールや他のECカートではなく独自のECサイトを作ろうという方向に決まりました。あのまま他のプラットフォームでECを作成していたら、複雑な運用を強いられていたかもしれません。EC-CUBEは運用にあわせて、もしくは、運用の効率化を目指せるようなカスタマイズができるということが決め手でした。

高橋 様:

ドトールコーヒー様はECサイトで実現したい内容やこだわりのレベルがとても高く、私たちも様々なヒアリングを実施し、データの抽出や、それを元に整理するような作業が必要でした。そこが今回のプロジェクトで苦労したところでしたが、それでも、ドトールコーヒー様と同じ方向を向いて、EC-CUBEならではのカスタマイズ性を活用しながら構築ができ、ドトールコーヒー様にもお買い物される方にも満足いただいていることに、ほっとしています。

開発パートナー:株式会社エム・エー・ディー 代表取締役 高橋 守様

導入の成果

店舗で使用していたインフラにECサイトの情報を連携。EC-CUBEのカスタマイズでさらに便利に

EC-CUBEで具体的にどのようなカスタマイズをされたのでしょうか?

カスタマイズ事例1:定期購入

山口 様:

「ドトール オンラインショップ」の売りは、定期購入が可能なことです。お客様の利便性を上げるため、フロント側は自由度の高い設計にしていただきました。定期購入では期間を複数、2週間に1度〜6週間に1度といった形で選んでいただけるようになっています。またバックオフィス側では、どれだけ新鮮な状態のコーヒー豆を注文してお届けするかというところを徹底的に作り込みました。元々弊社では店舗から工場に注文した分を生産して納品するというインフラがありましたので、そこをうまく活用できる形でEC側の情報を流し込めるようにしました。

お客様が1週間後の配送を指定された場合、どのタイミングで工場に発注して納品スケジュールを立てるとベストな状態でお届けできるのかという計算データにもこだわりました。工場の稼働日と倉庫の稼働日が異なるので、それも考慮する必要がありました。ここは我々もそうですが、開発していただいたエム・エー・ディーさんと一緒にデータに落とし込んだ部分で苦労して作りこんだかいがあったと思っています。今後は、更に取り扱い商品や発送倉庫が増える可能性もありますので、それにも上手に対応していきたいですね。

ドトール オンラインショップの定期購入

カスタマイズ事例2:ポイントシステム

山口 様:

店舗では「ドトール バリューカード」という独自のプリペイドカードを導入しているのですが、これをECサイトでも利用できるようにしたことは、お客様からご満足いただいています。カードを連携するには、ハウスカードの仕組みを持っている別のベンダーとの調整も必要で大変な作業でした。このため2021年のオープン時には間に合わなかったのですが、エム・エー・ディーさんにスムーズにご対応いただけたことで、その翌年には実現できました。私は以前、アプリ開発を担当していたのですが、やはりここの連携に苦労した経験があったので、ネックになるだろうと予想はできていました。翌年に実装できたことは最短でのご対応だと感じており、エム・エー・ディーさんにはとても感謝しています。

不安だったのは、ECサイトと店舗の関係。鍵を握るのは来店機会の創出

開発にはお客様の利便性を高めるという目標がありましたが、実際に「ドトール オンラインショップ」の利用者からはどのような声が寄せられていますか?

山口 様:

お客様からは「店舗で大量購入すると重たいので購入を控えていたが、自宅に届いて便利」や「近くにお店が無いのでずっと待っていました。ありがとうございます」と好評の声をいただいております。また、店舗でコーヒーを販売していることを知らない方や、ECサイトで商品を詳しく知ってお店に来店いただける等、店舗側にもメリットが生まれており、嬉しく感じています。

ECサイトの開発にあたっては、店舗オーナーが「店舗の売上をECに取られるんじゃないか」という不安を取り除くこともとても重要でした。先ほどの通り、現状、ECと店舗の両立、もしくは相乗効果が出てきていると考えていますが、店舗への送客をさらに増やすための施策も考えていきたいと思っています。たとえば、オンラインで注文して、よく行く店舗で受け取れたり、店舗限定商品をオンラインで予約できたりとか。こうやって送客のための施策をやっていくと、ECと店舗の更なる相乗効果が生まれるかもしれません。EC-CUBEだとそういったやってみたいことを実現できると既に実感していますので、色々考えるのは楽しいですね。店舗とECサイトをどのように連携するかというディスカッションは、今後も社内でもエム・エー・ディーさんとも続けていきたいと思っています。

今後の展望

ECサイトの真価が問われる3年目。売上拡大に向け、パートナーシップをより強固なものに

ECサイトは一般的に、1、2年目は試行錯誤を繰り返し、3年目から売上拡大を目指すものといわれています。「ドトール オンラインショップ」のオープンから3年が経過し、4年目に突入した今、どこに目標を置いているのでしょうか?

山口 様:

ECサイトの最初の3年間は、利益を出すための準備期間だといわれていますよね。「ドトール オンラインショップ」も今年で4年目。これまでのエム・エー・ディーさんとの取り組みを活かして、成果を出すフェーズに駒を進めたいと考えています。定期購入では購入いただいた回数に応じてオリジナルグッズをプレゼントしているのですが、どれぐらい継続いただいたら利益を出せるのかという情報もとれてきていますし、こういったデータも活用して売上拡大を目指していきたいです。

また、コーヒー由来成分を使用したハンドクリームをはじめ、実はECサイトでしか買えない商品もあるのですが、こういったECならではのところはもっと訴求していきたいですね。ほかにも、ハワイの自社農園で収穫できるコーヒー豆は希少価値があり高品質なのですが、残念ながらすべての店舗で販売できるだけの数を確保できません。このような数量限定の商品もECサイトでなら展開しやすいはずです。よりお客様に満足いただけるような、ECを活用して今よりもっと価値の高い商品を届けていきたいと考えています。

高橋 様:

ドトールコーヒー様の売上が拡大するように、より強固なパートナーシップを築いて、ECサイトとともに制作側の我々も成長していきたいですね。幸いドトールコーヒーのご担当者様は「こういうことをやりたい」と常に声をかけてくださり、コミュニケーションが非常にとりやすい状態です。一緒に伴走しているという実感を持ちながら制作に携わらせていただき、とても感謝しています。これからもこの関係性を保ちながら共創していければと思っています。

山口 様:

「ECを統合するとなんとなく良い方向に行くだろう」という認識は社内で共有していたように思います。そのため、今回のリニューアルに際して我々がヒアリングを行った際などに、EC化のアイディアや各部門の情報が社内から積極的に出てきたように思います。

ありがとうございました。ドトールコーヒー様の今後に期待しています。

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