横浜のおいしさを創りつづける「シウマイ」の崎陽軒。お客様の利便性向上へ、デリバリーや店舗受取りに対応。店舗や配送バックヤードの運用整備を含めた全社を巻き込んだDXへの取り組み

株式会社崎陽軒
(写真左側)

(制作・開発:株式会社エム・エー・ディー)

食品

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創業100年以上、横浜のおいしさを創りつづける「シウマイ」の崎陽軒様。
ECサイトでは、いわゆる通信販売だけでなく、デリバリーや店舗受取の機能があるなど、お客様にいかに便利に製品をお届けできるか、様々な工夫が施されています。
その実現には、ECサイト上の工夫だけではなく、店舗や配送バックヤードの運用整備など、まさに全社を巻き込んだDXへの取り組みがあったと言います。
今回は、その崎陽軒様の取り組みを、開発パートナーでもあるエム・エー・ディー様と共に伺いました。

お客様情報

株式会社崎陽軒
1908年(明治41年)の創業以来、横浜のおいしさを創りつづける崎陽軒。豚肉と干帆立貝柱の風味豊かな「シウマイ」をメイン商材に、各種ギフトセットなどをECサイトで販売されています。また、「シウマイ弁当」といったお弁当類のデリバリーや店舗受取もECサイトで対応しています。

開発パートナー情報

株式会社エム・エー・ディー
15年以上のEC-CUBE導入実績があり、企画・提案から導入後の運用サポートまで行うシステム開発会社。特にEC-CUBE B2Bを用いた業務効率化/コストカットを得意としています。

要件概要

課題

ショッピングサイトとデリバリーサイトという別々のサイトで顧客が一元管理されておらず、お客様への価値提供の最大化を進めたかった。

解決策

ほぼスクラッチのように柔軟にカスタマイズでき、そしてコスト面でも抑えて開発できるEC-CUBEの導入で課題を解決。

効果

基幹データベースとの連携による顧客の一元管理だけではなく、より運用効率のよいツールとの連携で運用負荷軽減も達成。お客様、運営側の両面で使い勝手のよいEC構築を実現。

崎陽軒オンラインショップ

導入以前の課題

課題はバラバラな顧客情報を一元管理すること。試行錯誤の結果ECサイトのリニューアルを決断

元々ECサイトを運営されていましたが、どのような課題があってリニューアルに至ったのでしょうか?

崎陽軒 様:

リニューアルに際し、大きく2つの課題がありました。1つ目は「顧客の一元管理」が挙げられます。当時は弊社製品の販売を行うECサイトとは別に、配達注文専用のECサイトが存在していたため、顧客の一元管理ができていませんでした。ユーザー目線に立って考えた場合でも、同じ崎陽軒のサイトであるはずなのにデザインもUIも全く違うサイトが存在しており問題であると認識していました。

2つ目は「店舗受取予約サービスのEC化」が挙げられます。サービス自体はお電話や直接ご来店時に受付をしていましたが、いわゆるインターネット予約というものがなく、社内外からEC化の声が日増しに大きくなっていきました。また、当時はコロナ禍ということもあり、 様々な理由でこれまでのようにご来店いただくことが難しい、もしくは回数がどうしても減ってしまう状況であったため、その問題を少しでも解消したいという想いもあり、「店舗受取予約サービスのEC化」も大きな課題として捉えるべきという状況でのEC再編となりました。

株式会社崎陽軒 開発本部 D2C室 課長代理 宮田 大嗣様
株式会社崎陽軒 開発本部 D2C室 磯 裕貴様

EC-CUBE選定の決め手は課題解決の実現性とコストの両面

数あるECカートの中で「EC-CUBE」を選定された決め手はどういうところだったのでしょうか?

崎陽軒 様:

課題解決のために色々な検討をした中で、やはり他の既存ECカートシステムではカスタマイズが大がかりなものになる可能性があったことや、そのためのコスト面でも相当負担が大きく、実現性が低いという結論に至ることが多く、なかなか要望にかなうECカートがありませんでした。

そのような中、情報システム部門とのコミュニケーションの中でEC-CUBEの存在を知り、検討をした結果、機能面・コスト面ともに要望に適う可能性が高そうだということがわかり、まずはイーシーキューブ社のアドバイザー相談をさせていただきました。

そこで現開発パートナーであるエム・エー・ディー様をご紹介いただき、話し合いをさせていただいた結果として「EC-CUBE」を使用してのリニューアルを決定いたしました。

エム・エー・ディー様:

当時の崎陽軒様の印象としては、そもそもご担当者の方がもういけそうなアタリがついてらっしゃったというか、皆さんとても運用業務面を広く理解されており、そしてシステム的なところのリテラシーがとても高い印象がありました。ですので、始めからとても進めやすかったですね。より具体的にはこういう感じでできないですかという一歩踏み込んだ話ができるっていうところが構築を進める上で、とても救いだったことを覚えています。

開発パートナー:株式会社エム・エー・ディー 代表取締役 高橋 守様

導入の成果

システムにあわせるのではなく、運用にあわせてカスタマイズする。EC-CUBEだからこそ出来た、新機能への挑戦

今回のECで実現したかったことはどのようなことだったのでしょうか?また、実現できた要因がありましたら教えてください。

崎陽軒 様:

「店舗受取予約のEC化」については、単に「インターネット予約ができる」という機能では運用に耐えられない想定でした。弊社の主力製品であるシウマイやお弁当は日持ちがしないため、衣類や家電製品のようにストックが原則できないですし、消費期限という制約条件もある商材となります。

そのため、無制限に受注できるようなシンプルな仕組みではなく、製造上限数にあわせて細かな受注制限がかけられたり、消費期限の問題から受注してはならない時間帯を店舗・製品ごとに設定できたりするという、コントロールが必要です。電話や対面でのアナログな対応であれば、受注時にその都度担当者に確認を取ることで、お客様の要望通りに受注して良いのか悪いのかということは確認できるのですが、システム化となると事前にそうした条件を網羅し、組み込んでいくということが必要なため、どこまで現状に即したシステムにできるのかという点は非常に不安がありました。結果として、そうした不安が解消できるレベルで実装できたことは嬉しく思っています。

セオリーとして、システム化するという際には「運用をシステムにあわせるよう変更する」ということも必要であると思いますが、エム・エー・ディー様に弊社の事情をご認識していただいた中で、EC-CUBEでカスタマイズ可能なものはすべて現状の運用にあわせてシステムをつくっていただいたと感じています。色々と無理難題もオーダーしてしまったと感じていますが、それに対して一つ一つ仕組みを紐解いていただいて丁寧にご対応いただけたのが最大の成功要因であったと思います。

エム・エー・ディー様:

実際に、出荷スケジュール、そこのリードタイムの考え方をかなりお聞きし、そことにらめっこしながらの仕様作成になりました。仕様を考える議論のタイミングからコミュニケーションを取りながら、業務の裏側がこうなっている、ということや、ここが困っていて何とかしてほしいといったことを、ある程度事前に教えていただいた部分は大きかったと思います。要件定義の段階では、もうできるかできないかは一旦置いておいて、一応もう全部お話しいただいたと思いますし、その始めの段階でのコミュニケーションが今回の成功要因の一つであったことは間違いないと思います。

崎陽軒デリバリーの流れ。ショッピングサイト内でデリバリーも実現

他にも実現できた機能が多数

その他にも様々なこだわりの機能を実現されたとのこと。詳しく教えてください。

特別予約製品の受注(店舗受取)機能

崎陽軒 様:

年に数回規模で特別なお弁当の販売が行われるのですが、通常の店舗受取サービスのフローではお客様のご要望に十分応えられないことが想定されました。特に弊社の場合、製造タイミングと配送時刻等の兼ね合いで、店舗により受取可能時間にバラツキが出るため、この手の企画製品を販売する際に「いつどの店舗ならまだ予約可能かわからない」という問題が生じていました。アクセス集中時は購入完了までに非常に時間がかかるということもあり、こうした企画展開時のみ運用する特別な店舗受取予約のLPページを用意しました。この機能の優れている点は「特別製品に特化した機能のためサイト内でも目に留まり易い」「予約枠の残数が視覚化されているためどの店舗ならまだ予約ができるかわかりやすい」「受注完了までのフローを可能な限り短縮したため、アクセス集中時でも購入完了までの時間を短縮」といったメリットがあり、重宝しています。

おせちの予約受注(通信販売)機能

崎陽軒 様:

通信販売ではおせちのご予約を承っておりますが、製造・出荷面の都合上、通常の通信販売の受注とはレギュレーションが異なります。一例をあげますと「他の製品と同時購入できない」「ご注文から出荷までに最大3か月以上かかる(通常は最大1か月先までしか受注できない)」といったことがあります。通信販売でありながら、通常の通信販売とは異なる受注条件となる点に対応できるようにいたしました。

デリバリーの各種受注(デリバリー)機能

崎陽軒 様:

弊社のデリバリーは、設定エリア全てに対応可能な通常配達と一部エリア限定で利用可能な小額配達というものに分かれており、通常配達と小額配達では同じ受注内容でも配達料が異なるなど、似て非なるものとして存在しています。これについてEC化する際に、デリバリーという枠の中で2種類の方法を用意することで対応いたしました。

今後の展望

DXを成功させるコツとは?崎陽軒の社内体制や企業文化

最後にDX成功のコツがございましたら是非教えてください。

崎陽軒 様:

まず、前提としてDX担当者がDX化をする業務に関しての運用知識、経験則を一通り持っていたことはプラスであったと思います。例えば、私は実際に店舗の営業担当しており販売員として店舗にも入っていたこともあります。また、一時期は情報システム部門でも業務を担当しておりましたので、社内における販売面やシステム面等の知見がそれなりに豊富であったという点は良かったのではないかと考えています。

ただ社内業務の全てを経験している訳でもありませんので、当然ながらわからないことは当該部門の担当者にヒアリングを行う必要がありました。企業規模が大きいほどヒアリングひとつにせよ容易ではないと想像しますが、弊社の場合はそうした制約が少なく、情報も必要十分な内容を共有いただける土壌があったため、そこまで苦労したという感覚はありません。

エム・エー・ディー様:

よく、我々のような開発ベンダーは、部署をたらい回しで情報を収集しなければいけない場合があります。ですが、崎陽軒様ではちゃんとしたDX専門部署が横ぐしで全て把握できる状態であったこと、仮にその場で解決できない問題も、情報集約してくれたというのは、とても助かりましたし、上手く行けた要因だったと思います。

崎陽軒 様:

「ECを統合するとなんとなく良い方向に行くだろう」という認識は社内で共有していたように思います。そのため、今回のリニューアルに際して我々がヒアリングを行った際などに、EC化のアイディアや各部門の情報が社内から積極的に出てきたように思います。

「D2C室に任せておけば大丈夫!」という信頼をいただけていたということもあるかもしれませんが、それとは別に組織として壁がないというのがDXを上手く実現されている企業様に多いのではないでしょうか。違う言い方をすれば、社内には「和気あいあい」感があり、特に今回のプロジェクトを進めるにあたってはそうした風土が良い効果を生んだのではないかなと思います。意外とそういう雰囲気の企業がDXを成功させるのかもしれませんね。


崎陽軒のD2C室主導で実施されたECリニューアル。横ぐしの一気通貫でDXをまとめられた手腕が今回の成功の肝だったのではないでしょうか。そして、それに深く入り込み、要望に答えた開発パートナーであるエム・エー・ディー様の手腕にも脱帽です。DXというのはどうしても困難で難しいという印象を受けますが、意外とこの部署間、もしくはクライアントとパートナー間の「和気あいあい感」というのは重要なのかもしれません。

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